早稲田大学大学院の講座「企業の社会的責任と責任投資」#5

第五回目となる今回は、花王株式会社の畑中 晴雄氏より「新しいESG戦略と取組状況報告」をテーマにお話し頂きました。

第一回目の総論講義にて説明のあったサステナブル投資の生態系の中では、今回は投資対象先(事業会社)に当たります。
講義では3つのパートにわけて説明がなされました。

  1. 当社概況と歴史的背景を含めたESGの取り組み
  2. 新しいESG戦略
  3. 具体的な取組状況

についてです。

まず創業時の原点から一貫したよきモノづくりで社会に貢献することを目指してきた歴史が紹介され、多岐にわたる事業を通じてESGを実現する取り組みがされてきたことが紹介されました。

花王では、2030年でのありたい姿を目指し策定された中期経営計画に基づき、その土台のひとつとして非財務的な戦略・取り組みの強化が図られました。ESG推進体制図やマテリアリティ・マトリックス(縦軸をステークホルダーにとっての重要度、横軸を当社にとっての重要度として、課題・取組を整理したもの)等を通じて、どのようにESGを実践しているかということが説明されました。ビジョン、コミットメント、アクションからなるESG戦略と、それぞれの重点取り組みテーマにつき指標、目標値、目標年、基準年、SDGs(国連の持続可能な開発目標)との対応が示されました。

続いて、充実した情報公開を含め、ESG戦略に対する具体的な取り組みをご紹介いただきました。

サステナビリティの分野でリーディングカンパニーであるがゆえに、投資家をはじめ、様々なステークホルダーからの期待に応える難しさなど、現場での葛藤を伴ったご意見を付け加えて頂きました。

※執筆担当…御代田有希(JSIF運営委員)

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