GSIAより新たなポリシー・レポート“Transforming Global Finance for Climate Action”が公表されました

各国のサステナブル投資フォーラム(SIF)から構成されるGSIA(Global Sustainable Investment Alliance)は、新しいポリシー・レポートである「気候変動対策に向けたグローバルな金融の変革:不適切なインセンティブへの対処と機会の創出 Transforming Global Finance for Climate Action: Addressing Misaligned Incentives and Unlocking Opportunities」をアゼルバイジャンで開催中のCOP29のファイナンス・デーに併せて公表しました。

我々の暮らしと経済を守るためにも、グローバル経済をサステナブルな経路に乗せることが不可欠でありながら、世界の投資家が依然として「持続可能でない」活動やプロジェクトに投資するインセンティブを持っていることを我々は危惧しています。

本レポートは、持続可能な活動やプロジェクトに資金が流れない主な要因を明らかにし、COP29などの国際的なレベル、また各国において国内レベルでも実行に移すことが可能な提言を行っています。

GSIAレポートの主な洞察と提言:

  • 達成されていないコミットメント:政府および金融機関による大胆なコミットメントにもかかわらず、気候変動対策への投資ギャップは依然として大きい。強固な政策支援と実施がなければ、現在のコミットメントの達成は困難である。
  • 期待のズレ:政策立案者は、投資の意思決定プロセスの複雑性を十分に理解しないまま、民間資本による気候変動対策の主導を期待することが多い。この認識のズレが効果的な気候変動対策への資金調達を妨げている。
  • 過大な約束:公約のみで実現していない政策に依存しているため、多くの資金拠出の約束が実現していない。このことが、投資家と政策立案者の行き詰まりを生んでいる。

これらの課題を克服するために、本レポートでは、主な障壁を特定する「PIVOTフレームワーク」を紹介しています。

  • Policy Vacuum(政策の空白):明確で一貫性のある政策と国家の移行計画の欠如
  • Interest(利害関係):金融セクターにおける短期的な視点と狭義のパフォーマンス指標
  • Valuation(評価):金融モデルにおける気候リスクと機会の不適切な価格設定
  • Ownership(所有):気候問題に対する投資家の関与の限界
  • Transition Misalignment(移行の不整合):既存のビジネスモデルと気候目標の間の対立

本レポートは、すべてのステークホルダーに対してCOP29およびそれ以降において断固とした行動を取るよう促し、ステークホルダー同士の協力のための包括的なロードマップを提供しています。
本レポートに関してご関心をお持ちの方はぜひ事務局までご連絡ください。

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