ESG投資の定義(白書2020に掲載)#1

ESG投資の対象は、株式に加えて、債券、PE、不動産、オルタナティブなど多くの資産に広がってきた。また、サステナブルな債券や融資も、企業や自治体の資金調達手段として定着するようになった。この結果、最近では、多くの金融関係者によるESG投資についての広範囲な議論が進むようになっている。その中で気になったのが、「ESG投資」という用語が必ずしも正しく使われていないと感じる点だ。最初は、一部のNPO、コンサルタント、官公庁の方々の発言や文章からそのように思ったが、機関投資家でも比較的最近になってESG投資に関わるようになった担当者の中にも理解していないと思われる方がいる。そこで、「ESG投資」という用語について再整理を行った。今後の議論の場で、参考にしていただければ幸いである。

混乱の一因は、日本では一般的に「ESG投資」という言葉が使われていることだ。海外、特に専門の場では、「ESG Investing(Investment)」という言葉は使わない。「ESG integration」あるいは「ESG incorporation」という用語を使う。「integration(統合)」や「incorporation(包括)」という単語が重要な意味を持っているからだ。わが国ではそうした英語が分かりにくいためか、「ESG投資」という言葉が定着した。この結果、「integration」と「incorporation」が持っている意味合いが欠けてしまい、本来の意味を理解している人が専門家の一部に限られる結果となってしまったと考えている。

ここ数年、欧州を中心にタクソノミーの議論が活発化している。これは主に、グリーンであるかどうかの分類を明確にしようとする取り組みであるが、この流れを受けて、世界主要国のSIF団体で構成するGlobal Sustainable Investment Alliance(GSIA)でも、サステナブル投資の投資手法の分類について再確認した。GSIAによる分類・定義や集計の結果は、世界で広く利用されている。

ESG投資を語るにはPRI の分類が欠かせない。ESG投資の概念と取り組みを広めたのがPRIだからだ。GSIAはPRIとも定期的な会議を持っており、2020年にはこの会合で分類についても確認した。

JSIF はGSIA の一員としてこの会合に参加しているので、今回はPRI の分類とGSIAの分類、またその議論を踏まえて、整理した。

>>>#2へ続く


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