早稲田大学大学院の講座「企業の社会的責任と責任投資」#3

第三回目となる今回は、ニッセイアセットマネジメント株式会社より林寿和氏に「運用会社:対話(エンゲージメント)と運用の実態 —「理論」と「実践」を行き来しながら—」をテーマとしてお話頂きました。

第一回目の総論講義にて説明のあったサステナブル投資の生態系の中では、今回は運用会社に当たります。

講義では以下の3点について、運用会社のアナリストという視点から説明がされました。

  1. 2014年に金融庁が導入した「日本版スチュワードシップ・コード(SC)」
  2. 企業の状況把握(ESG評価・長期業績予想)と対話(エンゲージメント)
  3. 新たな潮流である「インパクト投資」

についてです。

講義の前段にて、ESGの重要性(マテリアリティ)が高まっているE(環境)とS(社会)課題の事例について、関連データ及び株価推移をもとに紹介がされました。そして、スチュワードシップ・コード(SC)原則3にあたる「投資先企業の状況把握」、SC原則4にあたる「対話・エンゲージメント」について、それぞれESGアナリストの立場から具体的にどういった手法や考え方で行われているか、重視されるようになった背景およびその実態がアカデミアからの知見を交えて紹介されました。

最後にリスク・リターンに加えて「社会的インパクト」の創出を「意図」し、かつ、そのインパクトを測定・報告する「インパクト投資」が拡大傾向にあることが示されました。(→参考資料

受講生に対し「自社が手掛ける環境配慮型の商品・サービスについて、5年後の売上高を予測する際に、選択肢の中からどの情報を重視しますか?」といった投票や、受講生からの様々な角度からの質問への回答など、受講生参加型の刺激の多い授業となりました。

※執筆担当…御代田有希(JSIF運営委員)

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