「ERISA法はESG投資を禁止するものではない」 米国労働省、新ガイダンスを発表

米国労働省は2015年 10 月 22 日に、米国における ESG 投資の障害となっていた ERISA 法(従業員退職所得保障法)の解釈に関する新たなガイダンス(IB2015-01)を発表しました。この新ガイダンスは 2008 年のガイダンス(IB2008-01)により生じていた誤った解釈を訂正する目的を持っているとしています。この発表により、ESG 投資ならびにEIT(Economically Targeted Investment:地域経済の福祉などに貢献することを、リスク調整後の市場利益を得る投資の付随的目的としている投資)が私的年金基金のフィデューシャリー・デューティに係る法律である ERISA 法に反するのではないかという米国における議論に終止符が打たれたことになります。

今回の労働省による新ガイドラインの発表には、米国の NGO や機関投資家、PRI などによる多くの働き掛けがあったようです。米国では、欧州と比べて ESG 投資に積極的でない年金基金も数多くありましたが、今回のガイドライン発表により大きく前進するものと考えられます。

荒井勝

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